矢吹丈って、
義務教育だってろくに受けてないのに
どうしてこんなに
的確に自分の感情を表現する語彙を
持ち合わせているのだろうか。それがなんだかせつない。
「おれはどこかのおじょうさんと違って
ひまも金も自由すらも持たねえ男だからな!」
こんなことが正々堂々と言える
こんなにもかっこいい男がほかにいるだろうか。
つまり的確に自分の感情を表現できる男なのだ、
ということがかっこよさに起因しているんだと思う。
これ、人間としてとても重要なことなんじゃないか。
最近の不良マンガに見られる、主人公の
言葉より先に手が出たり、
行動で魅せることだけ考えてる性格って
そらぞらしくなっている部分もあって。
現代のマンガの特徴かもしれないけど、
いろんな意味でだいぶ煩雑になってると思う。
言葉がヘタなんだよね、そういう人達は。
だけど丈はとにかくよく喋るんですよ。
口上をのたまったり、おかしいことはすぐにおかしいって言うし
自分のポリシーに反したらすぐに反応できるわけ。
とにかくとても頭の切れる子なんだと思います。
頭のいい不良の典型的なパターン。はかない。せつない。
丈を生かしているのはそういった言葉たちなのではないだろうか。
それらの言葉の中にやどった不屈の精神が彼に
ボクシングをさせるわけですから。
彼にはセリフのふき出しで「・・・・・!」というのが頻繁に出てくる。
これらは言葉を出さずに気持ちをおさえている瞬間。
言葉が精神と密接に結びついているということが
よくわかる場面なんだと思うのです。
人間なのだから、言葉を大切に生きていくべき。
人生を支えるのは言葉なのですから。